恋のリハビリをあなたと
「昔の事だから、もう聞いてもいいかと思ってね」


「あー、もう時効だよ。だけど、同じテーブルの、先輩たちと亜美の高校の友達には、間違っても漏らすなよ」


「そんなことする訳ないじゃない。みんなを複雑な気分にさせるだけじゃない。せっかく弘樹もひた隠しにしてきたんだから」


あなたが苦しむようなこと、私がする訳ないよ。


「よろしく頼むよ。俺もそろそろ前に進むから、お前も前に進めよ」


え?どういうこと?


驚いて弘樹の顔を見つめると、少し申し訳なさそうな顔をしていた。





「答えられなくて、ごめんな」


なんだ、そういうことか。


「……気付いてたんだ。そうだよ、昔は弘樹のこと好きだったんだよ。って言っても、もう昔の話だから、自惚れないでよね」


「はいはい」


2人で顔を見合わせて笑った。


よかった、もう昔みたいな苦しくて、切ない気持ちにはならなかった。


ちゃんと思い出に出来てたんだね。

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