恋のリハビリをあなたと
「……どうぞ」


近寄りがたい空気を纏っている彼に、勇気を出して、お茶を出すことには成功した。


この後どうしようかと、悩み、動けないでいると、急に手を引かれ驚いた。


ものすごく強い力で引かれたと思ったら、そのままソファに押し倒されていた。


大地さんは、無表情のまま、私の上に跨るようにして、覆いかぶさっていた。




「あのー、大地さん?」


そのまま動かなくなった彼に、問いかけた。


無表情の中に、寂しげな目が見えた気がして、そして、無言の彼に不安を覚えて、私が黙っていられなくなった。


この空気に耐えられなくなった。


なんで彼がこんな顔をするの?

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