ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
私達が、勉強終わった頃は、もう22時過ぎてた頃だった。

「ふぅ……。疲れたねー」

私は、椅子の背もたれに体を預ける。

「それは、コッチの台詞。…2人とも、理解力無さ過ぎ」

「「……ごめんなさい」」

「皆、お疲れ様。…はい、お茶」

愛希さんが、私達にお茶を淹れて持ってきてくれた。

「あっ、ありがとうございます」

「「ありがとう、黛城さん」」

「……ありがとう」

冷たいお茶が、喉を通る。体の芯が冷たくなる。

「美味しいー」

「癒されるー」

「「ねー!!」」

私と玲好君は、ニコッと顔を見合わせて声を重ねる。

……私と玲好君は、あんな事があったけど色々と共通点があって今では、仲良しだ。一緒に部屋でゲームする位に!!

「はぁ、明日は勉強三昧だから。土曜日なんだから」

「「えー!」」

ブーブーと、玲愛君にブーイングを2人でする。

「赤点取ったら、2人とも一週間ゲームするの禁止だから」

叶君が、私達を軽く睨む。

「えー!」

「それは無いよー!叶君のケチっ!」

「叶の意地悪」

「……………」

叶君が、ニコニコと私と玲好君の前髪を軽く引っ張る。

「「痛い!痛い!」」

「さっきの言葉を訂正しようか?」

「「スイマセンでした!」」

「かっ、叶君は、いや、叶様は全然ケチじゃないです!凄い格好いいです!」

「……………」

「叶…。違っ、叶様は、優しいです!いつも、助かってます!」

「……………」

「俺は!」

「私は!」

「「叶様が大好きですぅ!!!」」

「2人とも、叶に凄いビビってるね……」

愛希さんが、私達の前髪を掴んでる叶様の手を優しく取って、苦笑いをする。

「「……痛かった……」」

「私達、先輩なのにね……」

「だよね……」

実は、私が通ってた学校に。玲好君と玲愛君と叶様が通っていたんだ。初めて知った時は、凄いビックリしたけど…。

「先輩とか、ルームシェアでは関係無いでしょ」

「「はい……」」

「はい、はい。ケンカはヤメてもう、寝なさい」

愛希さんが、手をパンパン叩く。

「「はーい!」」

「あっ、優花さん。赤点取らないでね!」

「玲好君もね!」

「2人とも、人の事言えないから」

「もうぅ!早く寝なさい!」

「「はーい!お休みなさいー!」」

「お休みなさい」

「……お休みなさい」

私達は、自分の部屋に戻る。ベットに、ボフッと倒れ込む。ゆっくり、目を閉じる。

「……眠れない……」

少し外の風に当たろうかな……。

私は、灯りの付いてない廊下を静かに歩いて外に出る。
< 12 / 50 >

この作品をシェア

pagetop