ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
「玲好君、千メートルリレー頑張ってね!」

「うん!…赤組が優勝出来るように、お互い頑張ろうー!」

「「おぉー!!」」

私達、2人は両手で拳を作って上に突き上げる。

「……何してんの?」

バッと、後ろを振り向くと。叶君が、呆れた表情で、私と玲好君の事を見てた。

「えっと、赤組が優勝出来るように頑張ろうって2人で言ってた所……」

玲好君が、若干ビビりながら叶君に伝える。この前、ゲームを2人でしてる時。玲好君が言ってた。玲好君は、叶君が怖いそうだ。

まぁ、理由は、後ほど……。

「……はぁ。……バカみたい。…まぁ、でも。仲間だしね…。協力はするよ」

「「えっ?仲間?!」」

「うん。僕も赤組。さっき、玲愛と会って話したけど、玲愛も赤組だってさ」

「こういう奇跡って…」

「あるんだね!ね?玲好君!」

「だね!」

凄い!凄い!と、2人でクルクル叶君の周りを回ってると、叶君が玲好君に足をかけて止めた。

「うゎっ!」

「きゃっ!」

玲好君の、後ろに居た私は。急に倒れた玲好君の上に倒れ込んだ。

「「いたたた……」」

「うぅ……。痛かった。…大丈夫?玲好君…」

私は、起き上がって。スカートの裾をパンパンっとはらってから、玲好君に手を差し伸べる。

「大丈夫……。ありがとう……」

玲好君は、私の手をギュッと握り締めて立ち上がった。

「……本当に。2人ってバカだよね……」

「叶君が、足をかけなければ私達は転ばなかったもん……」

「そっ、そうだよ!」

「高校生のくせに、子供ぽい事するからでしょ」

「でも、足かける必要無いじゃん!!」

「じゃあ、もう僕の周りを回らないで。人の周りを回るって。される方は、いい気持ちしないから……」

「「はい……。スイマセン」」

「まぁ、どうでも良いけど。そこ、退けてくれない?丁度、玲好が居るとこ僕の靴箱の場所だから」

「あっ、ごめん……」

玲好君が、素早く退けると。叶君は上靴を脱いで外靴に履き替えた。

「……早くしてよ」

「「………えっ?」」

「どうせ、帰る道も場所も同じなら。一緒に帰った方が良いでしょ。だから、早く靴履いてよ」

「あっ、うん。分かった!!」

「わっ、分かった……」

元気良く返事した私と。元気が無かった玲好君。そんな2人の様子を、叶君は不思議に思ったらしく。

「ねぇ。玲好、機嫌悪いの?」

「えっ?わっ、悪くないけど……」

「そう?なら良いけど……」

「じゃあ、帰ろう!」

私が、笑顔で2人を見ると。玲好君は、上を見て。叶君は、下を見て。うん、っと返事を返してきた。さっきから。2人とも顔が赤い……。体育祭近いのに……。大丈夫かな……?

その後、3人で帰ったけど。ロクに話のネタが無くて困った。だって、家に帰るまで話が続かなかった。殆ど、無言無表情。周りから見たら、変な集団だと。私は思う……。
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