ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─

秘密の居残り…

体育祭の準備や練習は淡々と進んでいき後、一週間後は、もう体育祭本番と近付いていた。

蒸し暑くて、扇風機と風鈴が恋しいと、思っていた矢先…。

「おーい!心乃ー、笠井ー!今日、最後の居残りあるからなー!忘れんなよー!」

先生が、2、3℃位温度を上げれるような笑顔でHRの時に叫んだ。

「「えー……」」

「最後何だから、しっかりしろよー!お前らの、協力と努力次第で赤組の勝敗が決まるからなー!」

「はぁ……。はーい!」

「はーーい!!」

その後、先生を少し恨みながら手で顔の周りを扇いでいた。HRは、パパッと終わって。

気が付いたら、教室には私と玲好君の2人しか残っていなかった。夕日が差してる教室は、オレンジ色に染まっていた。

「玲好君、席誰が誰の隣にする?」

私達に、任されたのはクラスの皆の席順。……その通り!凄い、くだらないんです!!皆さん、そこは気にしないで下さい……。

「えっとね、ココの2人仲良いから隣にしてあげよう?」

「へっ……?そうだったの?」

だって、この2人……。……男女じゃん……。……はっ……!?まっ、まさか!

「恋仲ですか?!」

私は、思わず敬語になってしまう。

「ぃや、まだ付き合ってはいないんだって。でも、コレは確実だよ。…2人とも、両想いなんだよ!」

「ほほう……。まさか、私達のクラスに。淡い恋が浮かんでいたなんて……」

私は、喋りながら玲好君の前の席に座った。

「羨ましいの?優花さんは、さ?」

「うん…。私、ね。人を好きになれなくなったんだ…。原因知らないんだけど…。ある日、急に」

「……へぇ、そうなんだ。……じゃあ、最後に好きな人出来たのはいつなの?」

「えっとね、中学二年。同じクラスの男子だよ」

「ふーん……」

玲好君は、聞きたくないって感じで窓の外を覗いていた。玲好君の、頬はオレンジ色に染まった。

「やっぱり……。私は、羨ましいかな……」

ニコッと、笑って玲好君を見る。玲好君は、チラッと私を見て。そっか。と微笑んだ。

「そうだ…。玲好君って、好きな人とか居るの?」

「ぶっ……。おっ、俺?!」

玲好君の、顔はオレンジ色と赤い色が混ざった色になっていた。

「えっ?うん、玲好君に」

「ぃぇっと、いや!居るけども!はい!居ますね!」

玲好君の日本語が、可笑しくなっていた。私は、何故かツボってしまい涙が垂れるほど笑った。

「アハハハ!ハハッ!アハハハ!!」

「なっ、何で笑うの?!」

「玲好君、日本語、可笑し…、い……」

私は、目から垂れた涙を手で拭き取った。

「……………」

「………?玲好君?どうしたの?」

「……あっ、いや。何でもない……」

「そう……?……ねぇ、ねぇ。玲好君は、ドコに座りたい?」

「優花さんの隣が良いな」

「うん、分かった。じゃあ、前?真ん中?後ろ?」

「出来るだけ、前が良いかな。あっ、余ってる二番目位とか」

「じゃあ、ココね?ふぅ……。コレで、全部決まったねー!」

「だねー!俺達、頑張ったねー!」

「うん!…じゃあ、帰ろ?」

「……ぇっと。優花さん、もし嫌じゃなかったら。まだ、居残りしてよ……?」

玲好君が、少しオドオドと私に言ってきた。

何で……?まだ、仕事何か残ってたっけ?

「…………?」

「いや。仕事は、全部終わってるんだ。だけど、ちょっと疲れ、たか…、ら……?」

「あっ!そうだね!疲れたよね。じゃあ、少し休もっか!」

私が、そう言うと玲好君の顔が明るくなった。

「うん!」
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