ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
チュンチュンと、小鳥が鳴いていた。私は、それで、目を覚ます。

「ぅ……ん……」

今、6時……。早く準備しよっと…。

私は、ベットから起き上がると両腕を上に上げて。顔と歯を洗いに行った。

「ぇっと、服……」

私は、いつも着てるTシャツとショートパンツを手に取った。

うーん……。今日は、何かワンピースな気分だな……。ワンピースにしよっと。

お母さんに、買ってもらった淡い桜色で膝より少し短いワンピースを着た。

「よし……。ワンピースの気分だった」

髪の毛を、いつもより少し長くとかす。そして、いつものように下ろしたままにする。

私は、何度も何度も鏡で自分の姿でおかしな所は無いかと確認してると。……コン…コンッと、弱々しいノックが聞こえた。

「はっ、はーい」

ガチャっと、開けると私服の玲好君がいた。白いTシャツ。腰に上着を巻いて。長いジーパンを穿いていた。

「………………」

真っ赤な顔して、固まってる玲好君がいた。私は、何回も手を玲好君の顔の前で振った。

「れっ、玲好君?」

「……………!?ごっ、ごめんなさい!!」

「えっ?何で?!」

急に叫んできたので、私は少し肩が上に上がった。

「ぃっ、いえ!…何でも!えっと!……じゃあ、朝ご飯…に、行きましょ…う…」

「うん」

私と玲好君は、無言でリビングに行く。いつものリビングには、あまり人はいないのに。今日は、何故か皆が揃っていた。

「…………。……おはよう。優花ちゃん、玲好」

愛希さんは、一瞬固まって。いつもの笑顔で、私と玲好君に挨拶をした。

「おはようございます」

「おっ、おはっ。おはようございます」

「おはよー。優花ちゃん、玲好ー」

ニタニヤしながら、私と玲好君に手を軽く振る愁太さん。

「あっ、おはようございます」

「…おっ、おはよう……」

「おはよう。優花、玲好」

玲愛君が、何も分かってない様子で、私達に挨拶をした。

「おはよう」

「……うん、おはよう」

叶君は、ムスッとしてコッチを見ようともしてかった。

「叶君、おはよう」

「……………」

無視……ですか……。

「叶、おっ、おおおおおおはよう………」

玲好君が、物凄くビビりながら叶君に挨拶をした。……玲好君、成長したね!!!

「…………ちっ」

叶君は、挨拶の代わりに舌打ちを返した。

玲好君は、泣きそうになってから、テーブルに座る。私も、玲好君の前に座った。

「そうだ。優花ちゃん。……優花ちゃんが良いって言うなら俺、髪の毛結ってあげるよ?」

愛希さんが、私と玲好君にご飯を運んでから私の前に座った。私は、ありがとうございますと、言った。

「えっ?本当ですか?」

「うん。2人の初デートだもん。元々可愛いけど。もっと特別に可愛くしないと。ねっ?玲好ー?」

「……………」

玲好君は、顔を赤くしながら愛希さんの事を無視してご飯を口に含んでいた。

「じゃあ、朝ご飯食べて用意が一通り終わったら俺に教えてね」

「はっ、はい!」

私は、笑顔で返事をする。愛希さんは、少し顔を赤くして、叶君達の方に向かった。

「……………」

「映画って、確か青春物語だったよね?」

私が、話しかけると玲好君はビクッと体を固めて。

「ふゎい!!いや、はい!!そうです!!」

「そっか。楽しみだね。映画」

「はい!たっ、楽しみです!」

「ちょっと、ちょっと玲好?そんなに、緊張してたら、デート失敗すんぞー!!」

「えっ?優花と玲好、デートするの?」

玲愛君が、ビックリしてた。

「ぃや!だから、デートじゃなくて!お出掛…」

「男女で2人だったら、デートじゃないの?」

「玲愛……。少し黙っててよ……」

玲好君が、汗を垂らしながら苦笑いしていた。

「デートなんじゃないんですか?!さっさと、認めなよ!!!!バーカ!!!!」

叶君は、急に立ち上がったかと思うと叫んで、リビングから出て行った。

皆は、ビックリして少しの間無言になった。
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