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「叶君、昨日から変だね……。……何か、嫌な事でも、あったのかな?」

「優花ちゃん…、鈍感すぎない?」

愛希さんが、苦笑いをする。

「えっ?私、鈍感じゃないですよー!」

プンプンと私は、怒る。

「そっか。でも、鈍感じゃなかったら、何で叶が機嫌悪いかも気づいてるはずだよ」

アハハハと、愛希さんが笑った。私は、愛希さんの言ってる事を理解しようとして、出た結果。

「あっ!そういう事か!!」

「ん?やっと気づいた?」

愁太さんが、ニヤニヤしながら私の事を見てきた。

「はい!叶君は、お土産が欲しいんですよね!!私、叶君にお土産買ってくるって言ってきます!!」

「えっ?!ちょっ、違っ!!!」

玲好君の言葉を、最後まで聞かないで。私は、走ってリビングから出て叶君の部屋に向かった。

コンコンッと、叶君の部屋のドアをノックした。

「……………」

「叶くーん?」

「………なに」

「お土産買ってくるね!」

「……………」

ガタッと、叶君の部屋から物音が聞こえた。そして、ガチャッと、ドアが開いた。

「あっ、叶君。お土産、何が良っ…むぐっ…」

私が話してる途中で、叶君が私の口を手で押さえつけた。

「それ、本気で言ってるの?」

「……………!!」

私は、ニッコリ微笑んで強く頷いた。

「……………」

私は、叶君の手を両手でどけて叶君の横に優しく戻した。

「……ぷはぁ……。なんかね、愛希さんが、私が鈍感じゃなかったら叶君の機嫌が悪い原因も分かるよね!って、言ってきたから。あっ!お土産が欲しいのかなって!」

私は、当たってる気満々で答える。

「それじゃあ、優花はバカで鈍感って事だね」

叶君は、ドアを閉めようとした。私は、それを止める。

「えっ?なんで?お土産じゃないの?あっ!お菓子が良かった?」

「はぁ……。優花、ワザと?」

叶君は、凄い長い溜め息を吐く。

「ん?なにが?」

「もう良い。手、離して……」

叶君が、私の手をドアから外してバタンとドアを閉めて鍵を掛けた。

「なんで?ねぇ、なんで機嫌悪いの?私、何かしたの?お菓子だったら、ダメなの?」

ドア越しで、私は話し続ける。

「ふざけないで。さっさと、玲好とデート行きなよ」

「ねぇ、機嫌悪い理由だけでも教えてよ。私の何が嫌なのか言ってくれたら、直すから!」

「……………」

「ちょっと、叶くっ……、いてっ……」

私が、ドア越しで話ししてると急にドアが開いて私のオデコと鼻に思い切りぶつかった。

「うるさい。どっか行って。僕に話しかけないで。ウザいから、そういっ…」

私は、叶君の言葉に泣きそうになってるのを、叶君は分かると言葉を止めた。

「…………っ。私…叶君に……何か…した覚え、無いけど……。……そんなに…怒らな…くても……。良いじゃん……」

ポロポロと、涙が流れる。私は、俯いて涙を手で拭う。

「……………」

「で、も…。叶君が……嫌なら、……もう、話しかけ…ない……」

「………そうじゃなっ……」

「………ふぇ」

「ぃや、泣かないでよ……」

「……ごめ、ん……なさ…い……。もう…話しかけない…から、怒らない…でよ……」

嗚咽を漏らしながら、叶君に謝る。

「そうじゃない……。別に、嫌じゃないし……。怒ってない……。いや、本当にそうじゃなくて……。あーもー……!!」

グイッと、叶君に腕を引っ張られて抱き締められる。
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