ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
「「「……………」」」

あっ、あれ?…にっ、似合わなかったかな…?皆、黙りこくっちゃった…。

「ぁの……、愛希さん。私似合っ…」

私が、愛希さんに助けを求める途中で。

「…………ブッ」

バッターンと、玲好君が鼻血を出して倒れた。

「えっ、えぇ?!玲好君?!」

「あーあー、……鼻血出して倒れちゃった。玲好、どんだけさ……」

愁太さんが、苦笑いして玲好君の鼻血をティッシュでふいていた。

「……だっ、だって……」

玲好君は、まだ顔真っ赤のままゆっくりと体を起こした。

「玲好君、大丈夫?」

私は、しゃがんで玲好君に近寄る。

「……だっ、大丈夫です……」

「映画、行ける?」

「…全然、行けます!」

「なら良かった」

ニコッと私が笑うと、またタラリと玲好君の鼻から鼻血が出た。

「あーもー、鼻血止まらないよー。どうしようー、黛城さんー」

玲好君が、ティッシュを何枚も鼻に当てる。

「知らないよ…」

「永遠に寝たら、止まるんじゃない?」

「叶酷いよ!!!」

「叶、男の嫉妬は醜いよ」

「うるさい。愁太は死んでて」

「優花、いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いね……」

「「……………?!」」

玲愛君の一言で、皆が玲愛君の方をいっせいに見た。

「…………へっ?!」

私の顔は、みるみるうちに赤く火照る。

「えっ?……………?!俺、今、なんて言った?!」

玲愛君は、赤い顔をして机をバンッと叩く。

「ゆっ、……優花、いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いね……」

叶君が、少し玲愛君にビビりながら、さっき言った事を丸々まんまそのまま言った。

「……………!?あ゙ぁーーーーー?!今の絶対に忘れて!!!俺、ちょっと死んでくる!!」

「えっ?えぇ?!だ、ダメだよ!何言ってるの?!玲愛君!」

「ぃや、俺、死んだ方が!!」

「いやいや、ダメだよ!!」

「ふっ、二人とも落ち着いて!!」

「「……………」」

パニック状態になっている、私と玲愛君を落ち着かせる愛希さん。

玲好君は、固まっていた。愁太さんも、珍しく固まっていた。叶君は、少し玲愛君の発言にビックリしていた。

「あのね?優花ちゃんが、可愛いのは分かるけど、死んだ方がいいとか言っちゃダメだよ。玲愛、分かった?」

「………………」

「…………?!」

「愛希も、サラリと言うねー。まぁ、愛希の言ってることに、俺は同感だよ」

愁太さんが、愛希さんの首に腕を回して自分の方に寄せた。

「…………?俺、何か言ったの?」

「なんでもないよ」

愁太さん、今日二度目の苦笑い。

「………あぁ!!!優花さん、もう出ないと、映画ギリギリになっちゃう!」

「え、ぇえぇ?!早く、行こっ!いっ、行ってきまーす!!」

「行ってきます!!」

私と玲好君は、鞄を持って急いで玄関に行った。皆は、玄関まで見送ってくれた。

「「行ってらっしゃい」」

「……行ってらっしゃい」

「死んでらっしゃい!」

「誰か、酷いこと言ったよね?!今!」

玲好君のツッコミを最後に、玄関のドアを閉める。
< 41 / 50 >

この作品をシェア

pagetop