ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
「優花さん……、目開けていいよ…?」

玲好君の優しい声が私の耳を通った。

「ぅん……」

私は、ゆっくり目を開けた。私が見た景色は。

沢山の建物から放たれる綺麗な光と。空に満点の星がある所だった…。

そして、数匹くらい。蛍が飛んでいた。

「ぅゎぁ……。凄い綺麗……」

私の頬は、無意識にゆるんだ。

「でしょ?…俺が、よく来る秘密の場所。まだ、優花さんしか連れてきてないよ…。……優花さんしか…知らないよ……」

チラッと、隣を見ると。玲好君が私にニコッと微笑んだ。玲好君の目は星の光が映っていてキラキラと光っているように見えた。

「そうなの?…私が最初?」

「うん。優花さんが、最初の人…」

「そっか…。嬉しいな…。…ここの景色綺麗だし。初めてのちゃんとした友達に私が最初の所に連れてきてもらったし…」

私は、嬉しくてニコニコとずっと笑いが止まらなかった。

「……………………」

玲好君は、苦笑いをしてから夜景を見ていた。

「すぅー…。はぁー…。…空気も綺麗だね」

私が、上を見ると。バチっと、玲好君と目があった。

「ぇ、あ…。うん…」

玲好君は、不自然に視線を逸らした。

「……………?……、住めるなら、ここに住みたいね…。皆で住めたら、楽しいだろうな…」

叶君は、絶対いいよって言わないと思うけど…。愁太さんも、なんかあまり賛成しなさそうだな…。

玲愛君は、静かならドコでもいいって言いそうだな…。愛希さんは、いいよって言ってくれそう!

「あの……、…さ……。……優花さんは、やっぱり皆とが良いの?」

玲好君は、声のトーンを少し落とした声で。聞きずらそうに私に問いかけてきた。

「ん?…だって、人は沢山いたほうが楽しいし!」

「そっか………。優花さん……、もう、帰ろっか……?」

「へ?……う、うん……」

玲好君は、私の手首を引っ張って早足に歩き出す。チラッと、玲好君の表情を見ると、何故か泣きそうになっていた。

どうしたん…。

「うわっ………!!?」

私が、玲好君の顔ばかり見ていると、なにかに躓いて、とっさに玲好君に後ろから抱きしめてしまった。

「ゆ、ゆゆゆゆゆゆ優花さん?!?!?!」

「ご、ごめんね。ちょっと、転びそうになって……」

あはは…、と私は苦笑いをする。

「あ、ぅ、うん。だ、大丈夫…です……」

その後、何故か2人は無言で綺麗な夜景がある所から出た。
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