ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─

「本当に、どっちが年上か分からなくなるね……」

「えっ？叶君って、玲好君より年下なの？」

「うん。僕、１５歳。玲好、１６歳」

玲好君と、同い年だった……。って……。

「叶君、１５歳？！」

「うん。そうだよ。優花は？」

「じゅ、１６歳…」

「「えっ………？」」

「僕より、年上だったの？…ちょっと、バカだったから年下かと思ってた…」

「えっ、酷くない？」

「まぁ、年齢は関係ないけど。…じゃあ、優花。改めて、よろしくお願いしないよ」

「しっ、しないの？！」

「僕、女嫌いだから」

「そっ、そうだったんだ」

…じゃあ、私と話さなければ良いのに…？

「でも、優花はイジメると反応が面白そうだから、友達になってあげるよ」

「あっ、ありがとう……？」

叶君は、私に手を差し出した。私は、その手を握ろうとしたら、手を引っ込まれた。私は、えっ？と、マヌケな声が出た。

「ふっ……。本当に面白かった……」

「……………」

私、完全に叶君に遊ばれてるよね……？

「もう、叶、女の子をイジメたらダメでしょ」

「だって、面白いんだもん。優花の一つ一つの反応が」

「だからって、ダメだよ」

「……はーい」

叶君が、愛希さんに返事をしたと同時にリビングのドアが開いた。

「ただい……。……誰？」

そこには玲好君と少し似てる男の子が居た。多分、玲愛君にあたる人。

でも、玲好君と違って白い肌。黒い髪の毛は、優等生だということが分かる。瞳は、深海みたいに濃い青色。玲好君より目が大きくて幼さが、まだ残ってた。

「今日から、ルームシェアで一緒になる子だよ。心乃優花ちゃん」

「はっ？だって、黛城さん、男の子って…」

「それが、手違いで…。男の子と女の子の聞き間違えが…」

「黛城さん、耳鼻科行った方が良いですよ？」

「そうかなー？まだ、大丈夫だと思うんだけどな……」

「全然大丈夫じゃないですから。そうそう。……もう少しで、愁太来ますよ？」

「ぁあぁ。面倒くさい奴が、帰ってくるのか…。視界に入る度僕の目が腐る」

「コラ、叶。そんな事言ったら、ダメだよ」

「だって、愁太ってさ女好きだし。変態だし。キモい」

「誰がキモいって？叶君」

声の聞こえる方に、私は顔を向ける。多分、愁太さんにあたる人は、リビングのドアに凭れ掛かってた。

「別に……」

「…ん？…あっ、女の子だ。…誰の彼女？可愛いね」

愁太さんにあたる人は、綺麗な銀髪で。瞳は、見惚れる位に純粋な銀色。ちょっと長い髪の毛を、軽く束ねてた。スッと高い鼻、綺麗な唇。…正に、完璧な顔の人。

「ぃや、あの……」

「愁太。この子は今日から、ルームシェアで一緒になる子だよ」

「えっ？だって愛希、男の子って…？」

「ごめん。手違いでね。女の子だった」

「ふーん……。嬉しい手違いだね。君、名前は？俺、真愛愁太。よろしく」

「あっ、心乃優花です。よろしくお願いします…」

「体が疲れてる時は、言ってね？俺、マッサージ師だから」

「はい。ありがとうございます…」

「それと、マッサージのやり方も興味あったら、教えてあげるよ。…大人の勉強もね」

「……………」

「キモい。変態。セクハラ。欲求不満男」

叶君が、無表情で単語を愁太さんにぶつけてた。愁太さんは、大人で。何を言われても、笑顔で、聞き流した。