ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
「勇気あるとか、ないとかどうでも良いから。玲好には、これからどうすれば人の話を聞くか、考えないと……」

「叶の言うとおりだ。考えないと…」

「んなもん。一発殴れば…」

「お前が殴られろ」

「2人とも!」

愁太さんが、殴れば。と、叶君は殴られろ。と、愛希さんは、2人を怒る。

「はぁ………」

本日二回目の溜め息。これから、お母さん達が戻ってくるまで、私はちゃんと過ごせるのかな?

「本当に、2人はっ…」

愛希さんが、2人に怒ってるとリビングの扉が開く。そこには、腰にタオルに濡れた髪の毛の、玲好君が居た。

「きゃぁぁ……」

私は、さっき見たのに両手で顔を隠した。

「玲好いつも…。ちゃんと服着てから、お風呂場から出てって、いつも言ってるじゃん」

「あっ、ごめん……。あっ、愁太、玲愛お帰り」

「ただいま」

「………ただいま」

「愁太、後で、いつものやって?」

「うん。良いよ。…あっ、じゃあ、優花ちゃん。後で、バスタオル持ってきてくれないかな?」

「あっ、はい。分かりました」

「じゃあ、早く着替えて俺の部屋に来て。俺、待ってるから」

「うん。分かったー」

ニコニコと、玲好君は笑って自分の部屋に戻っていった。

「よし、頑張りますか」

「また、やるの?」

…………。いっ、一体何を?!

「うん。玲好が、俺の気持ちいいって言うからね。…やってあげないのは、可哀想だよ」

「別にやっても良いけど、玲好に言っといて。声うるさいから、抑えろって」

…………。こっ、この人達って……。いや、そんな訳無いよね……。

「……………」

「毎回、そう言ってるんだけどね……。玲好、気持ちいいけど、痛いから声が出ちゃうんだって」

「……………?!」

ちょっ、ちょっと!完璧に……。ぃっ、いや!決め付けるのは……。

「今度、俺もやってもらおうかな……」

愛希さんが、苦笑いしながら愁太さんを見た。

「あぁ、その方が良いよ。…最近やってないしさ」

「じゃあ、今度やってもらっていいかな?」

「了解」

「優花ちゃんも、やってもらったら?」

「い、いいいいいです!!!大丈夫でっす!!」

「ん?そう?体がスッキリするんだけどな……。一回やったら、病み付きになるよ?」

「だっ、だだだだだ大丈夫です」

「愁太ー!着替え終わったよー!」

奥から、玲好君が顔を覗かせる。

「あぁ、分かった、分かった。俺の部屋に入ってて」

…………。絶対、そうだよね……?

「分かったよー」

「って、事で優花ちゃん。10分位経ったら俺の部屋にバスタオル持ってきてくれない?」

「ひゃっ、ひゃい!」

あっ、噛んだ……。

「ふっ……。じゃあ、よろしくね……」

私の頭を、優しく撫でて愁太さんは部屋に入って行った。

「あっ、優花ちゃん。バスタオルそこに置いてあるからね?…じゃあ、叶。晩ご飯作り手伝って?」

「うん。分かった」

「じゃあ、俺は勉強してこよ…」

皆が、リビングからゾロゾロ出て行く。私が1人でポツンと立っていると、あっという間に約束時間の10分が経った。

私は、行きたくないなと思いながらバスタオルを手に取って愁太さんの部屋に行こうとする。
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