サプライズ・サプライズ!!
「奥様、お料理お得意なんですね」
ミツルさんに聞かれて
「得意じゃないですけど私が作らないと誰もしてくれませんから」
恭介さんにも聞こえてたのか目を逸らされた。
「慣れですかね。でもあまり手の込んだ物は苦手ですけど」
だから今晩の料理も、ローストビーフやハンバーグなど下拵えしとけば後はオー ブンにお任せだし、鯵の南蛮漬けも揚げれば後は甘酢に漬け込むだけ。
お刺身は買ってきた物だし、後はサラダと陽菜が手伝ったスパニッシュオムレ ツ。これも野菜を混ぜて焼くだけだもん。
「皆さんも一人暮らしだから自炊されるんですよね」
「えっと、まぁ…」
万優さんミツルさん結衣さんが口ごもる。
フフフ…
「好きな人が出来たらしますよ」
恭介さんが優しい顔に。
春日さんも。
あら、青木さんが万優さんを見て大きく頷いてる。
もしかして…もしかする?
「ひなもね、ママとパパとおにいちゃんがしゅきだからおりょうりしゅるの。こ んどはナオおにいちゃんにもちゅくってあげるね」
「あ、ありがとう」
陽菜、ナオ君引いてるわよ。
てか、もう伊勢さんはいいの?
本当に我が子ながら気が多いわ。