悪魔と天使
「お前の信念はどうしたのだ?」


「今さっき言ったやつの一つは臨機応変に捨てるのさ」


「……いいだろう」


その言葉が合図の如く、マルコは足を高々と上げた。


「そいやぁ!!!!」


そのまま、振り下ろし、足を地面に叩きつける。


地面に、いや天井までにもひびが広がり、神の間全体が崩れ落ちる。


「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」


崩れ落ちてきた天井を左拳だけで粉々にし、飛礫を正確にゼウスに向けて放っている。


無論、全て、白い膜によって防がれてしまう。


飛礫が止む、そして、ゼウスの目の前に紅き火が飛び込んだ。


「クリムゾン・ハァァァァァァァァァトォォォォォォォォォォォォォォ!!」


火のように紅く揺らめく拳は白い膜にぶち当たる。


全てを弾く白い膜にひびが入る。


そして、


音を立てて……


割れた。
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