悪魔と天使
「そこで出てきたのは海の中で最強の悪魔セイレーン!その時は船は男しかいなかった。まぁ、女は普通は船に乗らない。旅行船しかな。セイレーンはしってるな?」


「はい!悪魔の分類では夢魔に属します。人を美声で惑わし、海の藻屑としてしまう悪魔っすね」


その通り!とマルコはビシィッ!と親指を立てる。


「だが、セイレーンの美声が聞かない奴らがいる。分かるか?」


わからないっす!と元気よく言うマリク。


「女と音痴だ。偶然にも俺と船長は音痴だった!俺と船長は勇気を振り絞ってだな………」


「セイレーンと戦ったんすね!!男らしい!」


「いや!自分達を音痴だと確信し、乗組員達を目覚めさせるために朝になるまで歌い続けたんだ!そうするとどうだ!乗組員全員がかなきり声を開けて目覚めたではないか!ちなみに、セイレーンは船倉で気絶していた」


がっはっはっはと笑うマルコ。マリクも腹を抱えて笑う。


「そのあと、セイレーンはどうしたのだ?」


「ああ、のびてるセイレーンを見た船長は一目ぼれ!彼女も自分を打ち勝つ者を探していたらしい。そのまま結婚式だ!!……って、うおお!」


マリクの後ろに殺気めいた気を発しているガブリィがいた。


「げっ…あねさん……」


「あ!ね!さ!ん!?」


「す、すいませんガブリエル様」


「よろしい」


「んで、ガブリィはなんで来たんだ?」


「貴様はなんだ?悪魔なのに天使を助けたのか?」


「命が危ない。それだけで種族構わず助けるのが俺のモットーでね」


マルコはにっこり笑う。


「ちなみに愛も種族問わずだ!」


「お前が作ったノードリーム切れ味確かめていないな」


ノードリームの刃がマルコの首筋に当たる。


「OK。落ち着こう」


「……私はここを通りすがっただけだ」


そういってガブリィは消えていった。
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