悪魔と天使
数分、茫然としていたガブリィはふと気付いた。


今なら、戻れる。と


今、戻ればまだ大丈夫かもしれない。


ガブリィはノードリームを握る。


簡単に抜けた。


「眠ると効果が消えるのか」


ノードリームを鞘に戻し、この場を離れようとした。


「待つんじゃ」


不意に後ろから声をかけられ、体が飛ぶように強張る。


「何処に行くですー?」


振り向けば四人の小人がいた。


「戻れないぜ。もう」


赤い小人が言う。


「なぜだ」


「マルコがどでかい事しでかしたからだよ」


「それは私が帰れない事に繋がるのか?」


四人は頷く。


「誰が信じるか」


ガブリィが背を向け、行こうとする。


「だから待つんじゃ!」


茶色い小人がガブリィの足に体当たりする。


「……?…」


途端に足に力が入らず、ぺたんと座ってしまった。


「まず、わしらの話をきくのじゃよ」


「アハハ、フゥちゃん飛んでるぅ」


「………フゥちゃんは戻っていいですぅ」
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