悪魔と天使
敵はすぐに立ち直ったがすでに遅かった。


構える前に殴られ、切られる。


近場の敵は全て倒れる。


二人と四精霊から離れている者が向かってくる。


「シズク!」


マルコが叫ぶと同時に目を瞑る。


シズクがマルコの前に出る。


「ここにある小さな水よ。集まり集まり、レンズとなれ!」


マルコの目の前に薄い水の膜が出来る。


「いいですー!」


「開眼!」


マルコが目を開ける。水の膜にはマルコの紅い目玉だけが移る。


「?!」


マルコに向かっていた敵たちは一時停止をしたかのように止まる。


「石紅の魔眼。見たら体が硬直するぜ。今更言っても遅いがよ」


一気に間合いをつめて敵を一掃した。


「ヒャハ、残りの敵は全部俺の獲物だぁ!」


鎌をブーメランのように回して飛ばす。


大半は切り倒せたが、二、三人は避けてしまった。


「ちっ……避けんな!」


避けた天使たちは翼を広げ逃げていく。


「にがさねぇぜ!ヒャハ!」


「手伝うです」


「逃がすかぁぁぁ!!クリムゾン…」


「マルコ!俺を使え!」


マルコの右拳にエン、マリクの鎌にシズクが捕まる。


「おらぁぁぁぁ!!」


「ハァァト・ショットォォォォォォォ!!」


紅い拳圧と水色の残像を帯びた鎌が天使達に当たる。
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