ボクとあたしの初恋

小さな男の子

でもすぐに辺りはいつもの風景に戻った。

ただ、足元には小さな男の子がいる。

「ふぇっ…いたいよぉ〜」

なんて言いながら。

「っうわぁ…」

掌が擦りむけていかにもいたそうだ。

きっとこれ、あたしのせいだよね…

あたしはその場でしゃがんだ。

「ボク、大丈夫?」

そう言うと男の子はその大きなクリクリの瞳をこちらにむけた。

何処かで見た事ある顔だなぁ…と思ったけどさほど気にせず男の子の言葉をまった。

「お姉ちゃん…だれ?」

「んー…真希って言うんだ。この辺に住んでいるんだよ?」

「そうなんだ!僕もだよ!」

「そっかぁ。…で、大丈夫?」

そう言うと男の子は気づいた様な顔をした。

「いちゃい…」

「そっかぁ…」

痛いよね…それは。

「…あ!」

あたしはある事を思い出して近くにあったあたしの鞄をあさった。
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