水面(みなも)の月
言ったあとに、しまった、と思った。今更遅いけれど。
アイツに聞いたことを、すっかり忘れていた。
まぁ事実かどうかは判らないが。






「…お母さん…いないから…。」

哀しげな声だった。




「ごめん…」


また沈黙。今度のは、とても重苦しくて、息が詰まるような…
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