水面(みなも)の月






「そこからは、もう察しがつくでしょう?」






彼はそれきり、連絡も寄越さなくなった。
罪悪感を感じたのか否かは定かで無い。


そして、双子…父親がひとりは夫、もうひとりは彼…が生まれた。
1人で2人の子を育てるのは無理だと思い、妹の家に半ば無理矢理里子として預けた。


成長して行く珠姫の顔を見るのが辛くて、実家には帰らなかった。

< 62 / 88 >

この作品をシェア

pagetop