水面(みなも)の月


珠姫と一緒に産まれて来てしまった、自分自身だろう。


産まれて来たとしても、何故母の下で育てられたのが珠姫では無かったのだろう…

珠姫に、孤独な思いをさせてしまったのは僕だ。あんな哀しい瞳をさせてしまったのは僕…


産まれる、産まれないは自分の意思で決められない。
わかっているけれど…


無力な僕は拳をぐっと握り締めた。
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