無花果
小学1年生の注意力なんてあって無いようなもの、オレの足はジャングルジムから滑り、身体が宙に浮いた。

「天耶!」

姉さんの悲鳴のような声が聞こえた。

死んでしまうと思った。

けど、どさっと地面にぶつかった筈なのに痛みはなかった。

目を開けると、自分の下に顔から血を流して倒れている姉さんがいた。

姉さんの倒れている地面には、血が滲み出してきていた。

「お姉ちゃん…」

「天耶、けが、ない?」

怪我をしてるのは、自分なのに自分の心配をしてくれる姉に対して申し訳なかった。

「ご…めん…なさ…ぃ、うっ、うわわわぁん」

オレの声を聞いて先生達が出て来てくれて、姉さんは直ぐに病院に運ばれた。
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