僕が愛した君と夏。
第一章
毎年、必ずくるこの季節。
白い半袖のシャツも、うるさい蝉の声も、ジリジリと肌を焼くような日差しも、昔から大嫌いだった。
しかし、この季節になると必ず思い出すことがある。
高校二年の夏の出来事だ。
この夏は十年たった今もまだ忘れることができない。
今でもはっきり、一分一秒、青い空に浮かぶ白い雲も、灰色のくすんだ空から落ちる雨粒の冷たささえも思い出せる。
だって、高校三年間で一番暑い夏だったから。
そして、俺が初めて彼女を知り、彼女と出会い、彼女を心から愛した夏だったから。
【僕が愛した君と夏】
あの頃の俺は常に無気力だった。
高校三年にもなって、まだ進路なんて全く決まっていなかったし、引退を惜しむような部活にも入っていなかった。
頭は、良くも悪くもないからなんとも言えなかったが、私立以外の大学にはいけないと、担任が冷めた目で俺に伝えたことを覚えている。
別に、行きたい大学なんてなかったからどうでも良かったけれど、やりたいこともなかった。
月初めに配られる進路調査書が憂鬱で、漫画みたいに紙飛行機にしたこともあった。
それが見つかって、当たり前のように怒られて、またそのせいでやる気が失せて、悪循環みたいにぐるぐる黒いうずみたいなのがずっと心に渦巻いていた。
白い半袖のシャツも、うるさい蝉の声も、ジリジリと肌を焼くような日差しも、昔から大嫌いだった。
しかし、この季節になると必ず思い出すことがある。
高校二年の夏の出来事だ。
この夏は十年たった今もまだ忘れることができない。
今でもはっきり、一分一秒、青い空に浮かぶ白い雲も、灰色のくすんだ空から落ちる雨粒の冷たささえも思い出せる。
だって、高校三年間で一番暑い夏だったから。
そして、俺が初めて彼女を知り、彼女と出会い、彼女を心から愛した夏だったから。
【僕が愛した君と夏】
あの頃の俺は常に無気力だった。
高校三年にもなって、まだ進路なんて全く決まっていなかったし、引退を惜しむような部活にも入っていなかった。
頭は、良くも悪くもないからなんとも言えなかったが、私立以外の大学にはいけないと、担任が冷めた目で俺に伝えたことを覚えている。
別に、行きたい大学なんてなかったからどうでも良かったけれど、やりたいこともなかった。
月初めに配られる進路調査書が憂鬱で、漫画みたいに紙飛行機にしたこともあった。
それが見つかって、当たり前のように怒られて、またそのせいでやる気が失せて、悪循環みたいにぐるぐる黒いうずみたいなのがずっと心に渦巻いていた。