【完】愛し君へ、愛の口づけを
俺の好きな人
「お兄ちゃん、私がずっとそばにいるからね」
「・・・莉央」
「初めて・・・名前呼んでくれた?」
莉央は嬉しそうな声でそう呟いた。
そんな莉央がなぜか急に愛しいと思え、思い切りまた抱きしめた。
「お兄ちゃんがいれば私も一人じゃない。そう思えるから」
「ああ」
「お兄ちゃんを傷つける人は私が許さないよ」
「ああ」
「お兄ちゃんのこと大好き」
「・・・ああ」
こんなにも少ない時間で
俺の心の中にたやすく入ってきた莉央。
もう、こいつに寂しい思いをさせてはいけない。
こいつが俺を守ってくれるように
俺がこいつを守らないといけない。
急な正義感が俺を包みこんだ。