【完】愛し君へ、愛の口づけを
時計を見ると昼の1時になっていた。
ケータイを開くと数え切れないほどの着信。
全部女、女、女。
うんざりするほど長いメールもあれば
あっさりした一言のメールもある。
もちろん
全てに目を通さず
ケータイをベッドに捨てた。
その瞬間
ピンポーンとチャイムが鳴った。
俺は仕方なく玄関に向かう。
「恭ちゃーん♪おはよう!今日も学校行ってないの?」
扉を開け、目の前にいたのは
紛れもない俺の母親。
小さい頃から放任主義で、
このアパートも俺の一人暮らし用に借りている。
「・・・気分悪ぃから」
「あら、それは大変・・・。看病しなきゃいけないわね?」
俺の唇は母親の唇に塞がれる。
こいつは俺の母親であると同時に
ただの道具でもある───。
「・・・んっふぅ・・・」
さっきまでの女と同じいやらしい声。
「女なんて、全部一緒だ」
「なぁに?何か言った?」
「何も言ってねぇよ。・・・早く中入れよ」
「んもぉ・・・せっかちさん」