【完】愛し君へ、愛の口づけを
狂おしいほどに
その日、莉央が家に帰ってくる事はなかった。
一体どこに泊まったのか。
俺には知る術もない。
何度もケータイに電話をかけた。
何度もメールを送った。
だけど、音沙汰はない。
「莉央」
体全体が莉央を求めている。
俺の中の何かが疼いている。
里奈の時とは違う。
この説明不能な感情。
きっと、今莉央が目の前にいたら無理やりにでも抱いただろう。
俺はソファに寝ころび、目を閉じそのまま眠りに落ちた。