【完】愛し君へ、愛の口づけを

俺は莉央を抱きかかえ、
下に落ちていた制服のネクタイとズボンのベルトを拾った。


そしてそのままベッドへ。


「お願い・・・こんな事・・・」


「これくらいしないと、お前は俺のものにならないだろ・・・?」


「・・・お兄ちゃん」


悲しそうな目で莉央は俺を見つめていた。

胸が少し苦しくなり、莉央を解放しようとしたが
一瞬のところでやめた。



今ここで引き下がったら
俺はきっと一生後悔する。


そう気持ちを思い直し、持っていたネクタイで莉央の手首を結んだ。



「何・・・何これ。ねぇ!!はずしてよ!」



逃げられないように、
足にもベルトをきっちりと巻く。


「何なの・・・お兄ちゃん。私これから・・・どうなるの?」


今にも泣き出しそうな莉央。


俺は
背筋が震えるのを感じた。
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