【完】愛し君へ、愛の口づけを
「久しぶりね、恭ちゃん」



縁を切ったはずの母親だった。

見た目がかなり変わっていて気付かなかったが・・・。




「もう俺らは赤の他人だ。何の用できたんだよ」


「・・・ええ。手紙届いてたから渡しに来ただけ。じゃあね」




俺に手紙を手渡すと、おぼつかない足で去って行った。

俺と会わない間に一体何があったのか。



・・・家の金も払わなくていいって言ったのに未だに払ってくれてるし。







俺は家の中に戻り、
手紙を机の上に置いた。



「誰だったの?」


「ああ・・・母親。元な」


「そーだったんだ・・・」


「それより、縛ってるのはずすから待ってろ」


「え!?」


「ん?」


「そんな・・・いいの?」


「もういいんだ。一度死のうとした身だし、警察にでも翔にでも言ってくれ」




俺はそう言いながら莉央を縛っていたものを全てほどいた。
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