【完】愛し君へ、愛の口づけを
再会と別れと始まりと
自由の身となった莉央を見た時、
あまりにも痩せている事に気付いた。
「・・・飯、ちゃんと食ってなかったもんな」
「あはは。そうだね!」
「無理して笑うな。もう、いいから」
「無理してないよ?お兄ちゃんには無理して笑ってるように見えるの?」
「見えないけどよ・・・」
「だったらそれでいいの!今からご飯作るね♪」
「・・・お、おう」
あまりにも
莉央が元に戻りすぎて驚いた。
今なら逃げられるのに、
逃げようとするそぶりも見えない。
・・・俺はとりあえず莉央を苦しめてきた道具を全て処分した。
莉央も少し切ない顔でそれを見ていたけど
処分した後、莉央は元気いっぱいの笑顔で俺に抱きついてきた。
そのあと莉央の手作り料理を久しぶりに食べ、
一緒にテレビを見ながら、ソファで眠りについた。
お互いの手を重ね合わせて。