【完】愛し君へ、愛の口づけを
『再婚相手の人に、一人娘がいるらしいんだけどぉ・・・。ラブラブ夫婦生活を続けるには、ちょっとねぇ・・・ってなったの!だから明日から突然だけどここにその子住むことになったから!』
俺の言い分を聞かないまま
さっさと帰っていった糞親。
そして今日、その女が引っ越してくる日。
ピンポーンとチャイムが鳴り響く。
「はいはい」
俺は玄関の扉を開いた。
「あ、あの!今日からお願いします・・・!」
どこにでもいそうな普通な女。
可愛いっていう特徴もないし、
かといってスタイルもいいわけじゃない。
俺は頭をぽりぽりとかきながら、そいつを家にあげた。
あまり荷物はなかったらしく、
引っ越し業者にも頼まず、父親の車で送ってもらったらしい。
「わ、私の父がこれからお世話になりますっ!」
なぜか頭が低いこの女。
・・・今まで俺に近づいてきた女と少し雰囲気が違った。
「あの、お名前は・・・?」
「恭介」
「きょ、恭介さん・・・!」
「呼び捨てでいいよ。めんどくさいし」
「確かに・・・キョーダイになるんですしね」
「まぁなー。義理だけど。名前は?」
「田嶋莉央-タジマ リオ-です」