【完】愛し君へ、愛の口づけを
その日の夜。
「お兄ちゃん♪」
「どーした?」
「ちゅーして!」
「な、なんだよ」
「ねぇーいいじゃん!お兄ちゃんのキス大好き」
「ったく」
俺は莉央にキスをした。
夜はお互いを求めあい、確かめ合う大事な時間だ。
でも
莉央からキスを求めてくるのは初めてに近い。
「何かあったのか?」
「え、別に何もー!」
「でも・・・」
「お兄ちゃん、早くシよ」
「・・・お前」
「ね、私の事愛して」
「誘い方エロすぎ」
莉央からこうやって誘ってきてくれる事も、なかったはず。
単純に俺は嬉しい。
嬉しいのに、なぜか不安になる。
もしも
学校で何かあったんだとしたら・・・。
俺はその日何度も莉央を求めた。
莉央からも俺を何度も求めた。
お互いの力が尽きるまで、愛し合った。