【完】愛し君へ、愛の口づけを
その言葉が何を意味しているのか。
理解するのに時間はいらなかった。
莉央が俺の事を避け始めたのも、拒み始めたのも全てこれが理由。
その場で大声をあげたかった。
翔に掴みかかり、莉央の手を奪いたかった。
だけど、
もう今の俺にそんな事はできない。
俺は、俺自身の心に約束したから。
莉央の悲しい顔は見たくない。
これからは笑顔を見ていく。
・・・俺自身の約束を守るには、そんな事絶対にしてはいけない。
それに、莉央への愛でもそう誓ったから破るなんて事できない。
莉央が翔の隣で幸せにいられるなら。
笑顔で過ごしてくれるのなら。
俺はそれでも・・・。
それでも────。