【完】愛し君へ、愛の口づけを
最低と誰かに罵られても構わない。
俺は本当に最低な人間になり下がっているから。
だからだろうな。
俺の目から涙が止まる事はない。
拭いても拭いてもあふれ出てくる。
もう何日たったんだろう。
分からない。
莉央を再び拘束して何度も聞いた。
「何か翔に言われたんじゃないのか」
「翔に弱みを握られたのか」
「俺の事なんてもう好きじゃないのか」
「本当は元々ずっと翔が好きだったんじゃないのか」
だけど答えは全てNO。
何を聞いても答えはNO。
挙句の果てにはこうだ。
「お兄ちゃんの、好きにしていいよ」