【完】愛し君へ、愛の口づけを
俺はどんどん冷たくなっていく莉央を自由の身にし、抱き上げベッドまで運んだ。
染みわたる赤い液体は俺の服も真っ赤に染める。
胸に深々と突き刺さる鋭いはさみと
安らかな顔の莉央。
俺は思わず莉央の髪を撫でた。
そして、
まだ温かい莉央の唇に俺の唇を寄せる。
何度も、何度も。
愛しい君に、愛の口づけを。
莉央の胸に刺さったはさみをゆっくりと抜く。
あふれ出てくる血液を
俺は静かに見続けた。
もう動かなくなった莉央の両手にそのはさみを掴ませ
俺はその両手を自分の両手で包みこんだ。
息を飲み、もう一度莉央を見つめる。
「・・・愛してる」
俺はその手を思い切り自分の胸目がけて突き刺した。
一瞬で頭が真っ白になる。
温かい血が俺の腕と莉央の腕に滴り落ちる。
「・・・永遠に、一緒だ」
これが俺の望んだ結末。
俺と君だけの永遠の楽園に行くために。
幸せをありがとう。
次は俺が君を絶対に幸せにしてみせる。