【完】愛し君へ、愛の口づけを
「最初から無理に笑ってんじゃねぇようっとおしい」
俺から出た一言。
普通の女だったらここで泣くか、怒るかのどっちかだ。
でも、こいつは違った。
「・・・はい!!」
純粋な笑顔だった。
まるで、新しいおもちゃをもらった小動物のように目を輝かせて笑っている。
どうしてなのか俺にはさっぱり理解できない。
冷たい言葉だったはず。
俺はこいつを突き放したはずなのに。
「恭介さん、私の事ちゃんと見ててくれたんですね」
まるで俺の心を見透かしているように答えを言った。
瞬間、
俺はそいつの腕を引き、数センチと言うところまで顔を近づけた。
「・・・うるせぇ。それ以上言ってみろ。犯すぞ」
莉央はなぜか目をキラキラさせて俺を見つめてきた。
「まるでドラマみたいです!!すごいです!感動しました!!!」
「は?」
「じゃあちょっと自分のお部屋行きますね!」
「あ、おい・・・ちょっ」
俺の腕からするりと莉央はすり抜け、自分の部屋に入っていった。
「・・・なんだあの女」