【完】愛し君へ、愛の口づけを
私は田嶋莉央。
母親は男と一緒に蒸発。
父親の手で育てられた。
決して裕福な暮らしじゃなかったけど、
お父さんと一緒に暮らしているだけで幸せだった。
そんなある日。
お父さんは再婚相手を見つけた。
とても綺麗な女の人。
だけどどこか危険なオーラが出ていた。
でも、
私は祝福した。
"お兄ちゃん"という存在ができると聞いた時すごく嬉しかったのも覚えている。
一人っ子だった私は兄妹という存在に憧れをもっていたから。
期待と不安でいっぱいだった。
これから四人家族になって一緒に暮らせる。
寂しい時間もなくなる。
そう思っていたのに───。