【完】愛し君へ、愛の口づけを
その頃、私には好きな人がいた。
佐々木翔君。
同じ学校で同じクラスメイト。
顔はかっこいいとは言わないけど、至って普通の人。
だけど、すごく優しくて爽やかで・・・
少しお父さんに近かったから好きになったのかもしれないけど。
彼も私の事を想ってくれているのか・・・自惚れたくないけどいつも私とたくさん絡んでくれる。
向こうからの方が多かった気もする。
そんな姿を見て、
お兄ちゃんは怒った。
私を家に監禁した。
外に出られないように・・・。
恥ずかしい事もたくさんされたし、
私の初めてだってお兄ちゃんに奪われた。
辛くて、苦しくて。
だけど逃げられなくて・・・。
そんな生活が続いたある日。
私は気付いたの。
逃げようと思えば逃げられた場面はあった事に。
どうして逃げなかったのか。
私はたくさん考えて、たどり着いた答えは
私はお兄ちゃんをいつの間にか好きになっていたという事。