【完】愛し君へ、愛の口づけを


学校に通い始めると、やっぱり翔君は私を心配して近づいてきた。


前と変わらない優しさ。
私は時折返事をしようかとも思ったくらい。




だけど、
私は無視をした。






・・・お願い、もう私に話しかけないで。
関わらないで。



そんな事をずっと思いながら。






そして、
私はそんな翔君の本性を初めて見る事になる。






「なぁ、莉央。もうお願いだから無視すんなよ」


「・・・無視はしてないよ」


「してるだろ!?・・・俺お前が好きなんだよ。分かってただろ?前から・・・俺はお前の事・・・」


「知ってた。私も好きだったよ」


「・・・過去形?」


「うん、今は他に大切な人ができたから」


「あいつか?」


「え?」


「お前の兄さんか?」


「・・・」


「答えろよ」


「・・・」


「なぁ、莉央!!」


「・・・っ」



翔君は強い力で私の肩を掴んできた。
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