せつない恋に気づいて
彼のペースに合わせて階段を駆け上がりホームに急ぐ。


不思議。さっきまで諦めモードだったのに今は絶対に間に合う気がする。




「あ、ありがとうございました」




「・・・別に。あ、ごめん」



やっぱりギリギリで間に合った。


電車に乗り込むと彼は掴んでいた私の手をパッと離した。



電車の音が今日はやけに響くなあ。



目の前の彼は学ランで目は少しだけきつく見えるしちょっと無愛想だなと思ったけどとても優しかった。
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