視線の先


どのくらい、そこに立ち尽くしただろう。


俊史の声で我に返った。


思い出すだけで幸せに感じるあの笑顔。


もう一度見たいななんて…。



「あ、そういえば…。」



美里亜や他の役員は学校案内が終わって数分前に帰ってしまったようなので、そのままの流れで俊史と帰っていた。



「俊史、はやせ君に朝電車一緒だったって言ってたけど、俊史も一緒だったの?」


俊史は、ちょっと考えて



「そうだよ」
と、言った。
その顔がどこか寂しそうで。



「るいには気づいてて、俺には気づいてなかったかー。俺の方が長く鈴香と電車乗ってるのに。」


きくところによると、俊史は私の最寄り駅のすぐ隣の駅に住んでいるらしい。
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