視線の先



それからは、毎日バタバタ忙しかった。



朝は朝練、昼は昼練、放課後は生徒会。


特に新入生歓迎会ではバンドの演奏だけでなく、生徒会としてイベントの司会進行もしなければならない。


それが終わるまでは、休んでる時間がない。


土日もスタジオを借りて、バンド練習。


疲れきった私は、朝練へ向かう電車内で爆睡をしてしまい、るいを見ている余裕すらなくなってしまっていた。



「鈴香最近顔やばくない?」


隣で踏ん反り返ってる梨花が、飲んでたココアのストローをかじりながら言った。


「梨花ー。あたしに癒しをー。」



「えー。あ、毎朝会う球児は?あいつに癒してもらえっψ(`∇´)ψ」



梨花の言葉がつきささる。



「最近電車で爆睡しすぎて全然あえてないー。」


半泣きになりながら机に突っ伏してると、上の方にあるスピーカーからサーセンの声が聞こえた。


キンコンカンコンー…。


-生徒会長の椎名さん、すぐに職員室に来てください。-


私から中休みまで奪うのか。





< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop