視線の先

隣の学校



職員室に行くと、サーセンに1枚の紙切れを渡された。


なにこれ?


その紙には佐山学園高等学校と書いてあった。


佐山ー…。


ドキッとした。


るいの学校だ。
紺色のブレザーにグレーのパンツ。
赤いネクタイをキュッと締めた制服。
佐山の名前を見ただけで、鮮明にるいの姿を思い出す。



「俺の同級生が生徒会で顧問しとってな。向こうも私立やし、1度交流会して意見交換でもしたらええんちゃう?」


それ、向こうの顧問の連絡先やから皆で話し合って必要なら連絡先しぃ。



そう言って、サーセンは職員室の中へ消えていった。


佐山学園…。



その日の放課後、美里亜含め生徒会執行部に話してみた。



女子校に通う私たちにとっては未知の世界である共学。


興味をもたない子は居ない。


満場一致で交流会の開催が決定した。


その後、佐山学園の顧問の先生に電話して、新人歓迎会が終了した翌週に私たちが訪問する形で、交流会が実現することとなった。






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