カローナ姫の黒猫

つまり、ユージスが言っているのはこうだ。

カローナとシルヴィの婚約も、

ルイが現れて彼女を助けてくれたことも、

ルイとカローナの婚約も…全て…そう今日に至るまで。

「全部…ルイが作った演出だと…いうこと?」

フルフルと震えるカローナの姿を見てユージスは一言呟く。

「飲み込みが早い子は僕好きだよ」

と。

理解した瞬間、サーッと血の気が引いていくのをカローナは感じていた。

ユージスが言っていることが全て事実だと仮定すると、ルイは私を落とすために彼を好きになるような筋書きを作ったということになる。

3年前、シルヴィとの婚約が決まり絶望していたあの頃の自分を思い出すだけで気分が悪くなりそうなのに…。


「ユージス、貴方は何でそんなこと知ってるの?」

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