カローナ姫の黒猫
まだ全て彼の言葉を鵜呑みにしたわけではない。
カローナは、ジッとユージスの瞳を見据えて尋ねた。
「…強いね。普通の令嬢なら怒りで発狂してもおかしくないよ?」
「…っ!怒ってるに決まってるでしょ。それがもし事実だとしたら…3年前の私がどんな気持ちでシルヴィとの婚約を受け入れたか…」
「そうだよね。国のために好きでもない、親子ほど年の離れたロリコンと婚約させられたんだもの。怒って当然さ、僕がどうして知ってるかというと…ね?その魔女が僕の大叔母だからさ」
…魔女がユージスの?
突然のカミングアウトにカローナは目を見開く。
「大叔母は、若い頃。ルイの祖父…当時のオルテカ国の王子…ルドルフに一目惚れしたんだよ」