カローナ姫の黒猫

彼は、口ではルイは被害者だと言いつつも、その平然とした口調からは特段心配してる様子でもないことが感じられる。

「そう…。大方の事情は把握したけれど…ユージス…貴方の目的はなんなの?」

ジッとユージスの本意を聞き出そうと彼の目を見て問いかけるカローナだったが…。

「別に…目的ってほどのものじゃないよ。ただ、僕は大叔母がかけた魔法…いや、呪いが今後どうルイに作用していくのか気になってるだけ」

ケロッとしたような表情でそう言ってのけるユージスにパチパチと目をしばたたかせる。

「…え?」

「やっぱり、血筋なのかな?大叔母の日記に書かれていた魔法…僕もいくつか試してみたら面白いくらい上手く使えたんだよ。だからこそ、気になるんだ…今後、ルイがどうなっていくのか…ね」
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