カローナ姫の黒猫
その言葉にカローナはゾッとした。
何なの…その理由…。
「…最低ね」
吐き捨てるようにカローナが呟くと。
「はは。どうとでも?そもそも最低なことをしたのはルイの祖父だろう?」
あっけらかんとした様子でユージスは答えた。
「だから、カローナ…君が本当にルイのこと愛しちゃたら困るんだ。呪いが解けてしまうからね…。というわけで僕が知って話を正直に話してみたわけ…君だけが知らないのはフェアじゃないだろ?」
「…っ」
彼の言葉にカローナは押し黙る。
「……」
そして、しばしの沈黙の後、重たい口を開いた。
「貴方の言う通り、ルイの筋書き通りに私が動かされていたとして…私はルイの口からきちんと真実を聞きたいわ、人づてで聞いたことを全て鵜呑みにするようなことはしたくないもの」
そう言うカローナの瞳には一切の曇もない。
「……」
ユージスは、彼女のそんな表情を見て小さくため息をこぼした。