カローナ姫の黒猫
「どうした…大丈夫か?」
突然の出来事にルイも困惑しているのだろう。
心配そうに彼女に声をかけてくれる。
そして。
「あーあ。なんだ、もう来たの?というか…今、僕の魔法を遮ったのは…ルイ?」
ユージスは、ルイの姿を見つけると面倒くさそうに声をもらす。
どうやら、彼には先ほどの女性の姿は見えていないようだった。
そういえば、さっきの人…あれ?
銀色の髪の女性は忽然と姿を消し、残されたのはカローナと黒猫姿のルイだけ。
どうなってるの?
困惑するカローナをよそに、ルイはユージスに向かって口を開いた。
「ユージス…悪いが俺もこれ以上見過ごせない。カローナを傷つけるやつは許せない…」
ドキン。
ハッキリとした口調でそう言ってのけるルイにカローナはドキドキと胸が高鳴るのを感じる。
「…ふーん?よく言うよ。彼女を利用してるくせに」
クスクスと小馬鹿にしたように返答するユージスにカローナはピクッと反応してしまった。