カローナ姫の黒猫
それはカローナの胸に抱かれているルイも気づいたようで…。
「…ユージス、カローナに何を…言ったんだ?」
と、問いかける。
「僕は彼女に真実を教えてあげたのさ。君が3年前、僕の大叔母の手によって猫になってしまった時から…カローナを利用しようと目論んでいたことをね」
嬉々として話しだすユージスにルイは驚いたように目を見開いた。
「っ!それは、違う…!俺は…ただ…」
しかし、次の瞬間には口を閉ざしてしまう。
…ルイ?
カローナはそんなルイの様子が気になった。
「さて、カローナ。君はルイの口から真実を聞きたいのだろう?聞いてみなくていいのかい?」
何か様子がおかしいわ。
煽るような口調でまくしたてるユージスも、凍りついたように口を閉ざしてしまったルイも…。
そう考えた瞬間。
「ルイ、何か事情があるのね…?大丈夫。私はあなたを信じてる」
カローナは黒猫姿のルイにそう声をかけると、鼻先にチュッと口づけた。