カローナ姫の黒猫
すると、ルイの身体が光に包まれ、カローナはその眩しさから思わずギュッと目をつぶる。
そして、次に彼女が目を開いた時には。
「カローナ…ありがとう。信じてくれて」
そう呟いて愛おしそうにカローナを抱きしめるルイの姿が目に飛び込んできた。
「ルイ…?もとに戻ったの?」
「あぁ…。ゴメン。俺からは呪いで君に何も言えなかったんだ…。説明できなくてすまない」
震える彼の身体をカローナは優しく抱きしめ返す。
「ううん、大丈夫だから。後でゆっくり教えて?」
「あぁ。勿論」
2人はそう言うと、お互い見つめ合いながら微笑みあった。
――…そんな中。
「…元に戻っちゃったか。全くいつの時代も女性は愛を貫くってことかな?僕の大叔母のように…」
つまらなさそうに呟いたユージスは、それだけ言い残すと、肩を落とし忽然と姿を消してしまったのだった。