カローナ姫の黒猫
*物語の真実は
昨日の出来事から一夜が明けた。
「それで、話してくれるのよね?本当のこと」
ニコリと圧力のある笑みを浮かべ、ルイを問いただすカローナに対し。
「…あぁ。話すと長くなるが…」
彼はポツリポツリと語りだす。
3年前、黒猫の姿になってしまった彼に、魔女はこう言ったそうだ。
『今、貴方が心から愛している人がいるのであればその人だけが呪いを解くことができる力を持っている。そして、この真実は彼女には言ってはいけない。言ってしまうと、その瞬間、貴方は永遠に猫の姿から戻れなくなってしまう…』
と。
瞬間、カローナは疑問が浮かんだ。
「ちょっと待って…それって3年前の話でしょう?私はルイのこと知らないし…その話だけ聞くとルイは3年前から私のことを…」
パチパチと目をしばたたかせていると。
「カローナは知らないだろうけど…俺はずっと前からお前のことが好きだったんだよ」
ふいっと視線をそらしながらもそんなカミングアウトをするルイに、頬が赤くなるのを感じる。