カローナ姫の黒猫

そんな彼女の気持ちなんか知る由もないシルヴィは。


「では、次会う時は、婚約パーティーでですな。体を十分に休めてください。それじゃ、またパーティーで」


と、嬉しそうにそう言い放つ。


「…はい。ご足労頂きありがとうございます」


カローナが御礼を述べると、ようやく満足したのかシルヴィが部屋から去っていく足音が聞こえてきた。


ようやく静かになった部屋。

カローナは、頭を抱えながらベッドに腰をおろす。

本当に具合が悪くなりそうだ…。


「…婚約パーティーっていつ?」


「…1週間後よ」


隣に座るルイに尋ねられ、カローナは、ため息まじりにそう答えた。


「1週間後、私はアイツと結婚しなくちゃいけない…のね。国のために好きでもない男と…」


けど。


「だから、オレの嫁になればって言ってんじゃん」


そう言ってくれるルイの言葉が少しだけ嬉しくて。

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